公開: 2024年2月4日
更新: 2024年2月4日
1960年代に入ると、大都会近郊の住宅地にある家庭では、小中学校に通学する子供持つ場合、その子供たちを学習塾に通わせたり、子供たちに家庭教師を付けることが普通になりました。これは、学校での授業だけでは、上位の教育機関に入学するために求められる知識を得ることが、できなかったからです。
偏差値の高い上級学校に入学するためには、入学を希望する学校の入学選抜試験を受け、合格しなければならなかったからです。入学選抜試験では、入学希望者に対して、同一の試験問題を解かせ、より多くの問題に正解できた者から、入学を認めます。問題を解くことが容易であれば、受験者の成績に順位をつけることが難しくなり、受験生の多い学校ほど、試験が難しくなります。
試験が難しくなれば、学校の授業で教える内容だけでは解くことができない問題を出さなければなりません。このような状況が発生したため、より偏差値の高い学校への入学を目指す子供の親は、その受験に必要な知識を与えられる知識を学べる教育機関に子供を通わせるようになります。そのような特別な教育機関を、「進学塾」と呼びます。
これは、小・中学校などの公的教育機関で実施されている一斉教授では、生徒個人の知識に大きな差があるため、生徒全体の平均辺りに適合する知識水準に合わせて、授業を計画し、実施しなければ、数多くの「落ちこぼれ」を生み出すからです。既にこの段階で、日本の義務教育は、破綻し始めていたのです。